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最初から決まってた、あの人の特別になれないことなんて。
そう、自分でもわかっていることだった。
例えどれだけあの人のことが好きだろうと、私は何万人もいるただのファンの1人でしかない。
そこには踏み越えられない大きな壁がある。

どれだけお金を使おうが、どれだけ身なりを整えようとも上には上がいて、私より可愛い人なんて山ほどいる。
ファンサをもらったとて、きっと次の日にはあの人の記憶にないんだ。私だけの思い出になってしまう。
それでも構わなかった。

構わないはずだったのに、いざ結婚発表をされると何故こんなにも苦しくなるのか、手放しにおめでとう!と祝えない自分が嫌でしょうがなかった。
いっぱいいるファンの1人でいい、そう思っていたはずなのにどこかで夢を見て、期待か何かをしてしまっていたのだろう。

[推しの幸せを祝えないんなんてそんなのファンじゃない]

そんな投稿が目に入ってしまい、さらなる自己嫌悪に襲われる
分かっているのだ、自分でも、ちゃんと分かっている。
お祝いしてあげたい気持ちが無いわけじゃない、でもどうしても受け入れられないのだ。

あの人のお嫁さんは、私が知らないあの人の顔をきっといっぱい見ているのだろう。
私たちが見ることの出来ない彼を、、そう考えるだけで苦しくて汗が止まらなくなる。
なんでこうなってしまったのか、最初はただ応援したいだけだった。
ただ、あの人が頑張っている姿を見るのが好きだった、それだけなのに。

8/7/2023, 1:17:10 PM