彼とは上手くいっていた
誕生日には プロポーズを受けていた
誰よりも早く、希望の就職先に
内定をもらい 人生を謳歌していた
あの会社に入るまで…
眠れない 食べられない
課長から名前を呼ばれる度
吐き気がした
お前はダメな人間だ
クソみたいな女だ
毎日罵倒され
山の様に資料を作らされ
残業しても 眠らずに作っても
やり直し…
ちゃんと出来ないお前が悪いと
同期はちゃんと出来ているのに
バカな女は 簡単な資料さえできないと
罵られる
入社して半年もせず、体重は10キロ以上
痩せ 常に頭痛と吐き気 耳鳴りがしていた
彼にも親にも心配をかけたくなかった
もう 限界だった
ここではない、どこかで生きたかった
会社の屋上から見下ろすと
車や人がまるでおもちゃみたいに見えた
柵に手をかけ、乗り越え様とした時
…目が覚めた。
汗だらけで、叫びながら私は飛び起きた
彼も驚いた様に起き上がり
私を抱きしめた
大丈夫、もう大丈夫だから
仕事なんか辞めていいんだよ
人生一度しかない、
苦しんで生きなくていいんだ
そして、私は 仕事を辞めた
課長から逃げたのかも知れないが
人生、逃げるが勝ちもあるのだ
ここではない、どこかで 生きたいと
願い いま、私は ここで 生きたいと
思える場所に辿り着いた
家族と 笑顔で生きる場所に
#ここではない、どこかで
4/16/2023, 12:01:51 PM