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夢と現実

私は狂おしい程に自分への期待が強い人間だったのだと思う。
現実はなかなかうまくいかないことが多い。
だからこそ、「夢」なのだ。
うまくいかないことが多すぎて、私はもう追いかけるのをやめてしまった。

でも、今思う。
私は自分の欲しいものすらよく分かっていなかったのだ。自分の人生をどうしていきたいか、色々と想像を膨らますことはあっても、それは本当に私が求めているものかと聞かれると違うのかもしれない。
自分の理想はいつも他人主体の上で成り立っていた。

現実の自分なんて大嫌いだった。

だけど、現実の自分を好きになってくれる人がいた。

「賢いからって何が偉いの?」
「仕事できるからって何なの?」

「メイは、メイでしょう」

彼の言葉にハッとした。

たった1人ありのままの私を受け入れてくれる人がいればもう十分だ。

これが現実。
現実でないと出会えなかった人がいる。
彼。そして、私。

現実もそう悪くはない。

12/4/2022, 4:09:51 PM