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-過ぎた日を思う-

人は過去を悔やみ、たらればの世界に思いを馳せる

私は中学3年間不登校だった。何か大きな事件があったわけではない。自分でも理由はわからないが、多分些細な友人の言動が心に刺さったのだろう。以来周りの人間の目線が怖くなり 、外に出ることができなくなった。

そんな自分を変えたくて、地元から離れた定時制の高校を選んだ。自分のように訳アリな人ばかりだと考えると、学校へ行くことのハードルがガクッと下がっように感じた。
とはいえ人が怖くなった自分は積極的に友人を作ることはしなかった。

そんな自分にも、入学から半年経った頃、一緒に昼食をとる友人ができた。ゲームや漫画、映画などの趣味が同じで、久々に人と話していて楽しいと感じた。
大人になった今の自分であれば、共通点をきっかけに遊びに行かないかと誘うこともできるだろう。しかし、自己肯定感が地を這うほど低かった当時の自分は休日はもちろん、学校帰りに寄り道しようと誘うことすら烏滸がましいことだと思っていた。

大学に入りバイトを始め、社会人になった今、当時の私はなぜあそこまで人との間に壁を作っていたのかと思ってしまう。あと一歩近づいたとしても、きっとあの子は嫌がらなかっただろう。

もし当時の私にあと一歩踏み出す勇気があったなら、卒業して顔を合わせる機会が減ったとしても、気軽に遊びに誘えるほどの関係になれていたのだろうか。

10/9/2024, 11:28:13 AM