「ねぇ、面白い話してあげる」
「なに?」
「君は赤い糸って信じる?」
私がそう言うと意味がわからないという顔をした。
「結ばれてるとかそういうのか?」
「そう!あのね、思いを伝えて断られた人にだけ見えるんだって!」
「それが?」
「現に私は君に一応告って断られた」
彼は頷いた。
「その日から自分が本当は誰と結ばれるのか見えたんだぁ!」
「でっ?誰だったんだ?」
「え〜、言わな〜い!」
「はぁ!?ここまで来たら気になるだろ!」
言うわけ無いよ。だって、私は君に告白して見えた糸が繋がっていたのは君だったんだから。
なんで、君は私の事を振ったの?
それだけがわからないや。
そんな事を思いながら彼への思いをまだ諦めていない僕は彼の隣を歩いた。
# 49
6/30/2023, 10:13:04 AM