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屈託のない君の真っ直ぐな、ものを訴えてくるような目が大嫌いだった。

目は口ほどに物を言うなんてよく言うけどまさにそんな感じだった。真っ黒な髪を少し結って、汗ばんだうなじが白いブラウスから覗いていた。そして、また君は黒の澄んだ瞳をこちらに向ける。

「私、隣の席のあの子が気になっててねっ、!」

そんな無邪気に、悪びれもなく言うなよ。幼馴染の彼女はずっと僕とは違う人を追っている。幼馴染が恋愛対象にならないのは知っているが、やはり彼女を恋愛的に好きな奴としては非常にショックなものだった。

「へぇ、またダメンズじゃないの?」

こんな意地悪な言葉しか出てこない。君の選択なら全て応援するというのに、どうしても恋路だけは応援する気になれない。

「また、服買いに行くの手伝って欲しいの!夏祭り誘おうと思ってて!」

また、その輝いてる瞳が潤んで、真っ赤になるところは見たくないんだけど。なんて言える度胸も持ち合わせてない。ただ頑張ろうね、と心にも思ってないことを言うだけ。

「あ、またリボン曲がってるよ。スカートも少し、捲れてる。」

そう言いながら、優しく柔い手で治してくれる私の大切な幼馴染。女の子なんだからそういうの気をつけなきゃダメだよなんて、全部全部、お前に言ってやりたいくらいなのに。

「そうだ、もう1日の夏祭りの方2人で回ろうよ!」
「え、いいの?」
「勿論!一緒に浴衣着よー!」

恋人になりたい、恋人でありたい。あの子の隣に、だなんて思っていたがそんな綺麗事どうでもいい。どんな形であれ、あの子の一番であれば、結局最後にその澄んだ瞳を、純新無垢な君を奪えさえすればそれでいいんだ。

7/30/2024, 4:53:34 PM