【自転車に乗って】
〜ハルトにっき〜
ぼくはもうお兄ちゃんだから、自転車に乗ってどこまででも行ける。今日もあいしゃに乗ってぼうけんだ。
ぼくのあいしゃは青のボディーにシルバーの文字が書いてあってさいこうにかっこいい。なんて書いてあるかはまだ読めないけど、たぶんかっこいい事が書いてある。
自転車に乗るのは気持ちがいい。風がふいてすずしいし、はやく走れる。いつも遊んでるこうえんをぬけて、かどのコンビニを曲がって、走りつづける。どこまででも行ける。途中、この間会ったお兄ちゃんとすれちがったから、手をふった。お兄ちゃん、カノジョとなかなおりできたかな。
小さい川が流れているところまで来た。ようちえんの先生に教えてもらった葉っぱでつくるふねをつくってながしてみた。ふねはすぐに流れに乗って、どんどん進んでいく。ふねを追いかけるように、ぼくもどんどん自転車をこいだ。ふねは草に引っかかってうごかなくなった。ぼくはもっと走れる。でも少しくらくなってきたからそろそろ帰ろうかな。
近所の犬はいつも吠えてるからきらいだ。できるだけ道の反対側をとおって、猛スピードですりぬけた。
「ハルト、おかえり」
ママがちょうど玄関の前に立っている。
「だいぶ上手に乗れるようになったわね。そろそろ補助輪取ってもいいかしら。」
ほじょりんまで取れたら、ますますかっこよくなっちゃうな。明日も自転車に乗ってぼうけんだ!
8/14/2023, 3:00:42 PM