道化の小説

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《凍える指先》

僕は1人
小さな駅のホーム
ここには1時間に1本しか電車は来ない
僕はぼんやり遠くを眺める
何本の電車を見送っただろう

幼なじみとして隣に君はいた
いつも一緒だった
そんな君が遠くに行く
君の門出を僕は喜んだ
笑顔で君を見送った
帰ろうと思った時に僕は動けなくなっていた
その時になってわかった

僕は君が好きだったのだと

気づくのが遅すぎた
失って気づくとはよく言ったものだ
会いに行こうと思えば会えるだろう
けれど今の僕には
動けなくなる程の喪失感に襲われ
考える事が出来なくなっていた


やっと頭が働くようになった時
あたりは暗く指先は凍えていた
そうだ
これは今生の別れではない
会いたくなったら会いに行こう
そして、その時に
この気持ちを君に伝えよう

12/9/2025, 10:25:05 AM