私は本来、本を読むことが好きだった。
小学生では毎年200冊以上の本を読んだ。チラシや取扱説明書、薬瓶の裏の成分表まで目に入る文字は何だって読んだ。そんな子供だった。
しかしいつからだろうか。本を読めなくなったのは。
本が嫌いになったわけじゃない。
ただ何というか、これはとても面倒なことで、
どうしても本を読むことで何か得ようとしてしまう。
それは、例えば、知識であったり、話題であったり、他にも語彙力、文章力、演技力なんかも。
ただ純粋に物語を作品を楽しめば良いだけなのに。
"良い人間"になりたい
そんな煩悩が邪魔をする。
どんなに素晴らしい本だって、眉間に皺を寄せて読んで
おもしろいはずがない。
あの頃の私は何を考えながら本を読んでたのだろうか。
いつのまにか、つまらない大人になってしまった。
3/27/2023, 8:11:57 PM