ねむ

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空は白んで薄明の時、街は静かに目を覚ます。
走る列車の音、心臓の鼓動、切る風は呼気、朝露の匂い。

日は昇って旦明の時、照らされた街は動き出す。
人の音、車の音、混ざってごうごう、街の呼吸。

日が傾いて黄昏時、眠る支度を街は始める。
引きゆくざわめき、「また明日」の声、帰宅を促すカラスの呼びかけ。

日は落ち暗い宵の時、街は静かに寛いでいる。
少しの灯り、夜の民の歌、鉄の鳥が轟音で飛ぶ。

そして静まる未明の時、街はようやく眠りに就く。
あるのは虫達の話し声と、木の葉達の囁きだけ。


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「街」

6/11/2023, 4:02:56 PM