星野 エナガ

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最悪だ。
今、俺はベットに横になっている。そして、アイツは俺を恨めしい目で見ている。俺はソイツをミて、流石に自分の体の子宮をえぐって取り出した俺でもやばいと感じた。悪寒がする。誰かに助けてほしいと心の底から思う。アイツは俺のことをまだ見ている。動けない。なるほど…これが金縛りか…とのんきなことを考えてしまう。こういうふうに見ていることは何度かあった。少なくとも…俺がダチと一緒にお祓いに行ったとき以来は…
お祓いに行ったとき、確か神主さんは「お祓いは終わりました。あとはあなたの行動次第です」と言っていた。
どうしろと言うのだ。今、金縛りに遭っているというのに。アイツはなにかを持っている。よく見えないが、小さくなんかの金属だ。俺は体をむりやり動かす。だが動かない。俺は声を出す。「あんた、誰だ?」良かった…声は出た。「その手に持っているもんは何だ?悪いが俺は人から物もらうときは意地でも受け取らない主義だ諦めてくれ。むりやりだったら俺は窓からそれを捨てる」
…どうやらアイツは帰るらしい。やっと金縛りがなくなって、体制を変えれた。そして見えたのは、指輪だ。
あまり装飾がつけられていないが、シンプルで、俺好みだ。
そういえば、あの恨めしそうな目で見ていたのは、もしかしたら俺に指輪をはめるタイミングを見ていたのかもしれない。しかし、妙にはめられたかったと思ってしまう。
俺は『命ある者としてのハッピーエンド』を手に入れたんだ。

『ハッピーエンド』より
※前回のお題の続きとなっておりますが、読まなくてもわかるように努力しました。

3/29/2023, 1:00:20 PM