神輿を2台見送った。祭囃子と、揃いの法被を引っかけた集団がはけて、その後にゆらりと立ち昇った白煙。人の形ではないものの、一切の音を飲み込んで、社を睨む。「御上、堪忍して下さい。神輿は結界の中にあるものなんすよ」しんとした道路の上、意を汲んだ外出に諦めがついたのか、その白は一瞬に霧散した。狗さんお願い、主神には言わないでね、とだけ残して。【二人だけの秘密】
5/3/2024, 11:48:01 AM