一期一会を小桜とともに

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風が特に強い日だった。
まるで、枯葉が木から散っていくように



僕の恋人は息を引き取った。



今年の春に学校で出会ったあの子は、とても綺麗だった。
その子が笑えば辺り一面に花が咲くようだった。
多分、一目惚れってやつ。

勇気を出して告白した夏、OKを貰えて飛び上がった。
「大袈裟だよ」と言われたけれど。
まだその頃は木々の葉も茂っていたっけ。

秋、あの子は病気が発覚した。
1人の病院からの帰り道は一段と夕風が冷たく感じた。
葉の色は変わりかけていた。

そして枯葉が散る頃、あの子は亡くなった。
享年は10代。
早すぎる死だった。

僕はまた1人になる。
それでも、時間は過ぎていく。
強い風にあおられて多くの枯葉が一度に散るように、あの子の死も広い目で見れば有象無象の一つでしかなかった。



僕とあの子の恋は、1つの葉のようだった。
最後には枯葉となって散っていった。


落ちた葉は誰にも見向きされない。
跡形もなく、いつか掃除されるだけ。




でも、心はそんなに簡単に、完全に、掃除出来ないから。





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『枯葉』

2/19/2024, 8:01:06 PM