狼星

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テーマ:心の心 #392

緊張で震える。
決勝に行ってほしいと強く願い、手を強く握る。
「頑張って……。みんなで決勝行こう」
私は小声でいった。

高校最後の球技大会。
女子は2戦2勝した。
今は男子の2戦目だ。
私達のクラス1セット、
相手の2年生も1セット取った
3セット目。
私達のクラスが追いかける立場になってしまった。
15点マッチで10対8。
すでに2点差。
そこに光を指したのはクラスのバレー部の彼だった。
「よっしゃー!!」
男子たちから歓声が湧き上がり、彼を囲む。
「せーのっ! サイコー!!」
クラスの女子たちはそんな男子にエールを送る。
試合前女子と男子で組んだ大きな輪を思い出した。
そこから一気に波が来る。
2点差がみるみるうちに縮まって、それを追い越した。
3年生というプライド
そして決勝に何としてでも行きたい。
そんな心の心が繋いだ結果。
私たちクラスは女子と男子共に決勝へ進んだ。
みんなが一つになって
みんなが一人のために
一人がみんなのために頑張った結果が生んだものは
光り輝いて見えた。
私たちのクラスは
どのチームよりも決勝に行くことを喜んでいたと思う。
それはそれだけ集中して誰かを応援したいという
気持ちから来ていると私は思う。
だから私は心の底から喜んだ。

12/12/2023, 12:27:37 PM