「星が綺麗だね」
隣に座る女性に話しかける。
同僚で、ライバルで、ルームメイトで恋人。
そして……憧れでもある彼女に語りかける。
「は?意味わかんねえこと言ってんじゃねえ。
さっさと寝るぞ」
ベットに身体を沈めた彼女からは寝息が聞こえる。
一人で寝るには広いけど、二人で寝るには狭いベット。
「……僕も寝ようかな」
窓の外を見る。
溢れんばかりの星が手を伸ばせば掴めてしまいそうで。
「明日も、生きれるかな」
明日も彼女と生きれればいいな、という
淡い淡い希望の星を、掴んでしまいそうで。
そんな保証なんて、どこにも無いのに。
……朝が来て、昼が終わって、夜になって。
やっぱりこのベットは一人だと広いなと枕を濡らした。
【星が溢れる】
3/15/2024, 11:58:26 AM