一ノ瀬

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とある冬の話

日曜日

今日は少し肌寒い。

天気は、そうだな。雨が降りそうで降らない曇りといったところか。

いい日だ。
こういう日は決まってこの場所に来たくなる。

ここから1歩踏み出せれば全て終わるのに、
楽になれるのに、

そんなことを考えながら。


___


バイト帰り。
ビルの屋上に君を見つけた。
何かしないと消えてしまいそうで怖かった。

急いで君の元へ向かうと、
驚いた顔でこっちを見る君。
そして、君はいつもいつも大丈夫だという。

そんな言葉を言って欲しいんじゃない。
ただ君の幸せな姿をみれればそれでいいんだ。
君のつらさを僕にも分けてくれればいいのに。
いっそのこと僕が代われればいいのに。

そう思いながらただ隣にいてやることしかできない自分に心底腹が立つ。


ー言葉はいらない、ただ…

8/30/2024, 4:38:19 AM