横たわるあなたの手を握りしめる。
冷たい。
命の灯が消えようとしているのが嫌でもわかる。
微かでも、己の熱を分けられたなら、
どれほど良かっただろうか。
いっそのこと、自分が代わってやれたら。
幾度となくそう思い続けていた。
でも、「それはあなたの望むことじゃない」と、
同時に脳が囁くんだ。
聞こえる呼吸音が薄くなる。
あなたの声は、どんな色だったっけ。
残り少ないふたりの時間。
今はただ、共に。
───『言葉はいらない、ただ・・・』(2024.08.29.)
8/29/2024, 12:49:56 PM