私の作品

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【君と】

「ま、待って!…行かないで!」
私は戦いに行ってしまう君を止めようとした。
何故だかこのまま君が行ってしまったら
僕は君に2度と会えなくなる気がしたのだ。
だが、君はこう言い行ってしまった。
「大丈夫!絶対生きて帰ってくるから!」

ー 君 は 帰 っ て 来 な か っ た ー

私は1週間泣き続けた。眠れない夜を7日間過ごした。
そんな事をしても君は戻って来ないのに。
嘘吐き…帰って来るって言ってたじゃん。
毎日夢を見るんだ。起きたら君が横に居て、
無邪気な笑顔で「おはよう!」って言うんだ。
でもその後に私は現実に引き戻されて、
横には血だらけの君がいるんだ。
君が居ない事が怖くてたまらない。
…悪夢だ。
君が居なければこんな思いもせずにすんだ…
いや、それは違う。君が私に話しかけてくれたから、私は少しの間幸せになれたんだ。

私は地味な女子で友達も居ない…
いわゆる【陰キャ】だった。
親は冷たくて、毎日私に暴力を振るって来た。
もちろん最初は泣いて抵抗したさ。
でも状況はなにも変わらない。
逆にエスカレートした。
母に助けを求めた事もあったさ。
でも見て見ぬふりをした。酷いや。
いや、母も被害者だな。
もちろん運動会でも親は来ない。
同じクラスの女子は「かわいそ〜」と言って来た。
私はみんなにとっていらない子だった。
私には居場所がなかった。
その時の私は幸せを知らなかった。
ある日転校生として来た君は、
みんなの人気者になった。
そして、私に話しかけてくれた。
私はとても嬉しかった。
それから何年か経って…
私と君は付き合う事になった。
だけど…今、この状況だ。
私は君無しでは生きていける気がしない。
こんな世界…もう…
『ダメだよ』
ふと、君の声が聞こえた気がした。
きっと幻聴だろう。
…でも、ここで人生を諦めるのはやめておこう。
すぐ君のいる所に行っても、怒られそうだしな。
待っててくれよ、ダーリン…

4/3/2025, 10:23:12 AM