わー

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お題:あなたに届けたい

『あなたに届けたい』突然そんなメッセージが来た。
…何を?俺は疑問に思う。今は夜中の1時だ。
しかも差出人は母と表示されている。そんなに大事な事なのだろうか。俺は気になり『何を?』と返してみる。返信はない。自分で考えろと言う事か、?
少し勝手すぎではないか?まぁとりあえず考えてみる。
そういえば母について考えた事なんてなかったな。
母が届けそうなのはなんだろうか。食べ物か?いや、服だろうか…あまり思いつかない。そんな時、俺のスマホの着信音が部屋に響いた。父からだ。
「あーもう、母さんも父さんもなんなんだよ!」
苛立ちを覚えながらも電話に出る。俺は言葉を失った。
父によるとたった今母が亡くなったそうだ。電話越しに父の声を聞きながら俺はさっきまでの出来事を思い出す。あれはしぬと分かって送ったのだろうか。そう考えると早く返せなかった事に罪悪感が湧いてくる。
父が言った、「お前宛の手紙があった」と、聞いた途端「今から行く」そう言い残し電話を切った。
場所は途中に父から送られてきた。そこは病院でどうやら母は入院していたらしい。病院につき手紙を読む。
そこには〝あなたを産んでよかった、出会えて良かった、ありがとう〟と書いてあった。俺は理解した。
母は俺に“ありがとう”を届けたかったのだと。
俺は溢れ出る雫を抑える事が出来なかった。
〝いままでごめんなさい、ありがとう、母さん〟
言えなかった言葉、全部あなたに届けたいよ…


典型的な物語だったかもしれません、
ただ当たり前の日常がずっと続くとは限りませんので
どうか大切な人に大事な言葉を届けてあげてください

1/30/2024, 11:40:14 AM