誰よりも賢かった君。
聞けば何だって答えてくれて、導き方も何度だって説明してくれたのに。
「あのさ、君の1番って、教えてくれたりする?」
ただひたすらに深い沈黙が。
ただひたすらに詰まる喉が。
ただひたすらに、そのどれもが、何もかもが。
顔が赤く塗られる。
小刻みに揺れる足に、ふやけそうな手。
付いている耳は鼓膜が破れている様な。
全身に響く重低音が一定のリズムで体に刻まれてゆく。
目の前にいる君は耳を触った。
難しい問題を解いている時と、おなじ。
「誰よりも」
2/16/2024, 11:45:18 AM