初葵.

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みかん




「ふざけないで、、、ッ、」

大嫌いなあの日、食べていたものだった。

「や、、、、ッ、」

「鈴桜。」

「ぁ、、、、。」

「鈴桜は、お父さんのこと、好きだよな?一緒にいたいよな?」

そう言って手を掴んでくる父。

「や、、、ッ、」

「鈴桜ッ、!?鈴桜に触らないで、、、ッ、」

そう言って私の前に立つ母。

「ッ、、、、。」

お母さんとお父さんは、仲が悪かった。






その原因は、私にあった。











「おかーさん!おとーさん!あそこいきたい!」

我儘で、自分勝手。








そんな私を守ろうとして、父は、ギャンブルに手をかけた。










とにかく、家にはお金がなかった。











「貴方はギャンブルばっか!鈴桜の為にもっと真面目に働こうと思わないのっ!?」

「お金がいるんだよ。その為にはこの方法しか、!」






そんな言葉を聞いたのは、私が中学生の時だった。











それから父はギャンブルに溺れ、そこで出会った仲間から“酒”の存在を教えてもらい、酒にも溺れた。










酒を飲んだ父は、酷いものだった。










酔った勢いでなにもかもを壊し、母と私に暴力を振るうようになった。








全て、私が生まれて来たから始まったことだった。
















「ああ、そんなこともあったわねぇ、」

すっかりおばあちゃんになった母。

「ばぁば!」

すっかり母親になった私。




「まぁ、いいのよ。」

悲しげに窓を見ている。

「この通り。可愛い孫娘も出来たわけだしね。」






そう言う母の手には、小さなみかんがあった。



みかんは、母が好きな果物だ。






#みかん
#6作目

みかん全く関係ないですね(((

12/30/2023, 7:40:54 AM