「本当に死にたい人はそんなこと言わないんだよ!」
そう祖父に吐き捨てた私は、次の朝冷たくなった祖父を見つけた。
自殺だった。
祖父には祖父の哀しみが、苦しみがあったのに、その苦渋の一滴から出た問いかけを素気なくはたき落とした孫の私は、祖父が亡くなってから十数年、今もまだあの朝にいる。
祖父は我慢強い人だった、なんて、生きてる時は全然気づかなかった。
そんな祖父に問われた、死んじまった方がいいかなあ、の一言。
愚かな私。
突然の別れは、私自身が連れてきたものだった。
5/19/2023, 1:42:41 PM