NoName

Open App

僕には幼なじみがいるんだ。とってもサッカーが上手な幼なじみ。
気付けば小さい頃からずっと一緒で、
隣にいるのが当たり前になってた。
それは幼なじみの彼も同じだった。
でも、ある日に喧嘩しちゃってそのままバイバイしちゃって。
その出来事のあと、僕は怪我をしちゃって、サッカーが出来なくなっちゃった。
それから月日は流れて、大きなサッカー場で幼なじみの彼がいるチームの試合が行われる事になった。僕はどうしても諦めきれなくて観に行ったんだ。
試合は、彼がいるチームがリードして前半が終了。後半が始まった。彼は、
コートの上を走り抜けていた。あの頃と何も変わらずあの時僕が追い続けた背中。
そしてタイムアウト中。僕は、勝って欲しくて大きな声で応援した。
「僕の分まで頑張って!相棒!」
そう言ったら、彼がこっちを見たんだ。沢山の観客がいるなかで僕を見つけた。
そこからは、彼がいるチームが勝った。最後にシュートしたのは彼だった。
帰り道。凄かったなと思いつつ、駅までの道のりを歩いていると、後ろから呼び止められたんだ。その声は、あの時あの頃から何も変わっていない彼の声。
彼がいった。「応援サンキュ。ありがとな」
その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れてきた。彼は抱きしめてくれた。
それからは、無事に仲直り出来た。
彼のチームメイトにも会った。とても優しい人達で個性豊かな人達だった。
そのチームメイトの人達の話では、
あの応援の時、ボソッと彼が
「まだ、相棒って呼んでくれるんだな。」
と言っていたらしい。
彼のチームメイトとの別れ際。
「お幸せに。アイツを宜しく!」

3/31/2024, 1:07:23 PM