NoName

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部屋の片隅にライトノベルがいくつか置かれている。
それを見ると、愛しい恋人がこの家にいると言う実感が湧く。
恋人の山田一郎は自分の気持ちを素直に言うタイプではない。だからって本音を隠すようなタイプでもない。知らず知らず、心の奥底に本音を溜めてしまう癖がある。
 最近は左馬刻の仕事が忙しく、2人で同棲し始めた家に一緒にいる機会が少ない。
 今日は少しでも早く帰って、愛する人の顔を見たい、その一心でここまできた。
が、家に帰ったのは20時。萬屋の仕事を早めに終えた一郎は入浴中だった。
愛おしい

12/8/2024, 9:15:41 AM