私の当たり前
音のない空間
冷たいご飯
生活感のない内装
それが私の家の全て。
母親と父親の仲は冷え切り
ただ親という肩書きだけで繋がっている
それを繋ぎ止めるだけの私
そんな存在に対する態度も同様である
会話はすべてが冷ややかで
空気はいつも張り詰めている
それが私にとっての普通の家族だった
段々成長するうち
それが普通でないと気付いていった
仲の良さというのももちろん
パパ嫌だー。だとか
ママが怖いー。だとか
皆それぞれ親に対して
何かしらの興味、感想を持てていた。
皆、あたりまえのように。
私は?
私にとっての当たり前が崩れていった。
崩れたところで当たり前は当たり前のままだった。
きっと誰も私の当たり前を当たり前と思わない。
口うるさいこともなく
それなりのご飯を食べて
それなりの家に住んで
きっと誰もが普通以上の環境だと思うから。
親は二人で、学校にも行かせてもらっている
これ以上に何を望むというのかと
きっと誰にだって思われるんだ。
私の当たり前はきっと揺るがない
こんなことなら気づかなければよかった
中途半端にこれは当たり前じゃないなんて。
そうすればきっと
当たり前として生きれたのに
7/9/2022, 3:21:05 PM