タバコは一本で、五分寿命が縮む。そんな言葉を思い出しながら、煙をいっぱいに肺に送り込む。硝煙の匂いで、タバコの匂いはよくわからなかった。視線を下ろすと、瓦礫に埋もれた死体が映り込む。昨日まで喋っていた、名前も分からない奴。くだらない話で盛り上がったっけ。石壁の奥から、足音が鳴った──敵兵はすぐそこにいる。私は吸い殻を足で踏み潰すと、弾倉を鳴らしリロード。そのまま立ち上がり、銃口を向けた、
10/8/2023, 10:41:16 AM