NoName

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愛を込めて
祝福を込めて
祈りを込めて
哀悼を込めて
手渡される。

美しき想いの象徴。
でもそれは、手渡されたその時にもう役目を終えている。
かさばるだけの大袈裟な想いの証は
翌日にはビニール袋に覆われ、収集車の訪れを待つ。

渡し、渡されるというセレモニーのためだけに生まれ、消えて行く。
まだ鮮やかな色彩が袋の結び目から顔を覗かせている。


誰が誰に
何の想いを込めたのか
私には分からないけれど

あなたを連れて帰っても
いいでしょうか。

2/10/2023, 4:44:27 AM