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【バカみたい】

帽子が風にさらわれ飛ばされていく。
もう届かない、追い付けない距離にある。
私が子どもの頃から大切にしていた帽子。
もうあきらめるしかないか…と思った時、
隣を歩いていた君が走り出した。
走って、走って、ついに木の枝に引っ掛かった帽子に追いついた。木に登り、帽子を取ってくれた。そして
「大事にしてた帽子なんだろ、次からは気を付けなくちゃな」と笑って、泣きかけていた私の頭に帽子を被せた。でもそんな君の顔や手は傷だらけだった。
「カッコつけちゃって、バカみたい」
私は涙を拭いながら笑い返した。
これも私の中で嬉しかった一つの思い出なのです…

3/22/2024, 12:02:14 PM