テーマ:同情 #100
「ララキどうしたんだ?」
僕(真)は手を引くララキに言った。
『いいから来て! 合わせたい『人』がいるんだ』
「会わせたい『人』?」
僕が人と言うのを強調するのには意味がある。ララキは人外だ。僕も人外と人間のハーフといったところだが……今はどうでもいいことだ。
普段はホラーハウスから出ないララキがこうして外に出ているのを見るのは、勝瑠を助けたとき依頼だ。
勝瑠は僕の弟。色々あって僕たち兄弟は引き裂かれていたわけだが、ある事件によってまた出会った。
運命っていうのは本当にあって、縁というものは簡単には切れないらしい。
『あ! お〜い! 連れてきたよ〜』
ララキに連れてこられたここは、なんだか変だ。人間の世界とは違うみたいだ。まさか人外の世界? とも思ったがそれもまた違うらしい。
「君が真くんだね?」
「あ、え…はい」
声の主は男の人で袴を着ている。なんだか偉い人みたいだ。その隣には瞳が黄緑の女の人が穏やかな表情でこっちを見ていた。
「はじめまして。僕はラック・クラーム。こちらはミデル・クラーナ。僕の妻です」
「は、はぁ…」
僕はそう言って頷くとミデルさんとラックさんは微笑んでいる。全くわからない。なぜ僕がここにいて自己紹介されているのかを…。
「ララキ、もしかして真くんに話していない? 今回の目的」
『あ、忘れてた』
ミデルさんがそう言うとララキがいたずらっぽく笑った。いつもなら、仕方がないなぁとなるところだが、今回ばかりは何も聞かされていないのに未知の世界に連れてこられたものだから、何も言えない。
「今日はね、披露宴なんですよ」
「披露宴?」
なんのことがさっぱりわからない僕に
『あ、もう行かなきゃ! あとはよろしく! ミデル、ラック!』
そう言ってそそくさと去ってしまったララキ。え、僕は…?
「急にこんなとこ連れてこられて、知らない人たちと一緒になんて嫌だよね」
ラックさんが話しかけてくれる。僕はララキが去った方を見てポカーンとしていたが、ハッとした。
「すみません……。あまり状況が理解できていなくて……」
「いいのよ。ララキはそういうところがあるのよね〜」
ミデルさんがフフフッと笑っている。
「でも、それが憎めない」
ラックさんの言葉に同情した。すると嬉しそうに笑った。
その時。
「危ない!!」
そう聞こえたかと思うと僕の前を何かが横切った。
「すみませーん!!」
それは人だった。闘牛の牛か、人外かと思った。にしてもあんなスピード人間に出せるか…?
「あ、ララキからその説明もなかった?」
僕を見てラックさんが言った。
次の言葉に僕は耳を疑った。
「ここは光と闇、人間と魔法使いが共存する国だよ」
※
皆さん、こんにちは。こんばんわ。或いはおはようございます。
今回で100日約100作品(リレー小説を含める)を書き続けることができました。狼星です。
正直、続けられないと思っていました。
最初の作品から私の作品を見てくださっていた方も、
途中から知ってくださって見てくれた方も、
今日の話が初めてという方も、
私の作品を最後まで見てくださり、
ありがとうございます。
皆様のお陰で書き続けることができました。
ありがとうございます。
♡を押してくれた方。
投稿を楽しみにしてくれていた方。
いてくださったら光栄です。
毎日の励みになっています!
これからもよろしくお願いいたします。
☆
今回から少し振り返って今までに出てきた作品の子たちを出したいと思います。
今回出てくれた子たちは
#20から
・ミデル・クラーナ
・ラック・クラーム
#64から
・真
・ララキ
(・勝瑠)
でした。リレー小説の子たち中心にはなってしまうかもしれませんが、温かい目で見てくれると嬉しいです。
どれくらいになるかは私の気分なので、わかりません。
リレー小説もどきとなりますが、読んでくれると嬉しいです。
また、読んでない! という方は過去の作品を振り返って読んでもらえると嬉しいです!
※
何度もお知らせがあってすみません。
仕事が忙しい日が続いているので、短くなる日があるかもしれません。ご了承ください。
2/20/2023, 12:33:01 PM