NoName

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暗く閉ざされた心の中で今日も息をする。死のうかと思ったこともあった。でも決心がつかなくて結局やめてしまった。他人といるのが嫌で故郷から遠く離れた辺境の土地で暮らしている。

いつものように井戸に水を汲んで帰ろうとしたら吹雪が吹いてきて私の視界を包み込んでしまった。

誰もいない。

笑いが漏れた。他人と馴れ合うのは嫌いと言っていたのに本当に1人になると他人が恋しくなる自分の浅はかさに辟易とした。

でもそんな思いとは裏腹に体は勝手に人を探し始める。手で虚空をかき分けながら進んで人影を見つけて駆け寄った。安心感と自分への嫌悪感にみたされた。

見つけた人影は雪だるまだった。

お題「二人ぼっち」

3/21/2024, 1:05:59 PM