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#16 ちゃんと朝が来た。
朝日が昇る日、ベットから起き上がることができた。

少し前、苦しくなった時、あの人が声をかけてくれた。
いつも孤独で辛い思いをしていたからこそ、
初めて心配してくれたことが嬉しかった。
心の中でずっと助けを求めていたのかもしれない。

でも、次の日、その次の日もいつもとは何も変わらないただのクラスメイトだった。
よく話すわけでもなく、別に話さないわけでもない。

最近、あの日から一年が経って、痛みが強く、時間も増えてきた。だから、孤独で苦しむ時、その人のことを思い出す。

朝が来て、その日が始まるけど、その人に助けてほしい。
「大丈夫?」その一言だけが、心のどこかでは嬉しくて、平気なふりをして逃げてしまって、寂しいことに気づいたから。

行かないで。……苦しくて……助けてほしい。

そう思ってしまう。何も関係ないのに。
何も言わないから、わからないのに。
その人、"彼"が気になってしまう。
苦しみの中の光。
それでも、何も変わらない日々は続いていく。
いつかは、終わってしまうけど。


___行かないで

10/24/2022, 10:54:21 AM