空を見上げても、
そこに星の輝きは無い。
黒雲が光を遮り、
空を奪ってしまったからだ。
だから星なんて物は、
生まれてこの方、
目にしたことが無い。
大きな火の塊も、欠けた金の壁も、
小さな星の群れも、何一つとして。
悔しいとは思わない。
悲しいとも思えない。
ただ、一つだけ、
「 空を目指してはならない 」
そう定められたルールに疑問があっただけ。
大義なんて物も、関心なんて物も無い。
探求をするだけの気力も、無い。
この空の下では、そんな奴らが生きている。
妥協を覚えて、努力を忘れて、
ただひたすらに、肥え太るだけの連中が。
今だけが大事な連中だけで、生きている。
なのに、幸せだ。
私は、そんな人間だ。
皆も、そんな人間だ。
諦めて幸福に生きていけるなら、諦める。
それは、悪いことじゃない。
9/18/2023, 2:46:58 PM