「無垢」
綺麗なままありたいなと思っていた幼少のわたしの姿はだんだん薄れている。汚い大人なんて言葉があるが、汚れを知らない人間に大人を名乗る資格があるだろうか。わたしはもうすでにたくさん嘘をついて、人を裏切って、自分の心から目をつぶって、でもまだ依然として人の弱さを受け入れる器は整っていない。
そんなのまだまだ君は若いよと担任の先生は仰る。大人というのはどうしてこうも背中が大きいんだろうか。教養の深さもそうだが、今の人生をそのまま生きていくだけでは到底そこに追いつけるわけないなと思う。ようやく気づいたが、思っていたよりもずいぶん人生は長いのかもしれない。
いつか綺麗な大人になるため今は、失敗恐れずどんどん泥まみれになっていきたい。
5/31/2024, 10:17:11 PM