翼の折れた少年がいた。その者は天使であったがある時にとても不幸な目に遭い、翼が折れてしまった。直る見込みがないと言われ、彼はこのままいるよりは消えてしまった方がいいと思っていたが、消えることはできないまま今に至る。そんな彼は、ある日ふとした時に人間の子と出会う。子は折れたその翼に怯えることはなく、ただその翼を美しいと言った。折れた翼など無くなっても良いとすら思っていた彼にとって、その言葉が一匙の救いとなったのだ。
11/12/2023, 3:08:56 AM