M氏:創作:短編小説

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幼子がちぎったような雲が散らばる
白んだ青が深みを増して紺を感じさせて
陽の光が沈むと同時に桃と緋色が混ざり出す
紫色のグラデーションが闇い色に溶ける
チラリチラリと光る星は何処か遠い
まだまだ電灯が眩しいからだろう
遠い遠い光の粒にポテッと置かれた月
遠目に見ても分かるほどの満月
それに綺麗と喉を震わせた
ジトッとした夏夜は遠に終わった
涼やかな秋が来た
まだ虫の音は聞こえない
髪を擽る風が心地好く吹いた
窓の外を眺めるのは心地美い

9/25/2024, 2:04:11 PM