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ちかりちかりと点滅する街灯。眼下に広がる暗闇。冷たい手すりへと寄りかかった。金属製の手すりは鈍く光り、街灯の灯りを反射している。生ぬるい風が、湿った頬を撫でる。
気丈に振る舞っていた君が、「少し疲れた」とその場にへたり込む。
投げ出した足には血が滲んでいた。靴はどうしたのだろう、どこかに置いてきたのか、落としたのか。どちらにしても、探しに行く気にはならなかった。
「これからも、続いていくのかな?」
闇の中に、光を探そうと目をこらした。たった数刻前のことだというのに、ひどく懐かしく感じる。“あの子”は。今もあの、空気の酷くじめりとした──あそこにいるのだろうか。
「そうだろうね」
きっと。これからも、ずっと。
あるのは、夜の静寂。何も見ることは出来ない。冒険は終わった。後はもう、日常に帰るのだ。
「安らかに……」
そう、強く願う。
“あの子”の魂が、天へと還れるように。

4/8/2024, 1:55:42 PM