秋の夜長と帰り道

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一瞬、ほんの一瞬
時計の針が遡った様に見えた

確実に見間違いだが
それをどこか信じたい一心で
改めて秒針を凝視する

時が止まるも戻るも興味は無いが
実直に只々進み続けた針が
その殻を破る瞬間を共有したいという
どうも馬鹿げた理由で

私は永遠に来ないその瞬間を
止まることも戻ることも有り得ない
鼓動を刻んで待ち続けるのだ


『時計の針』

2/6/2023, 11:16:00 AM