Nanase

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運命の赤い糸なんて私は絶対信じない。
そんな都合の良い物があったら私と彼の距離はもっと近付いている筈だもの。
彼を想う年月が私よりも短い子達の方が彼のそばに居られるのが納得出来ない。出来る筈ない。
部室に行くといつも彼は誰かと話しているの。その途端に脳味噌が燃え尽きそうなくらい熱くなるのに、逆に頭の隅の方が冷え切っていく気もして、毎度その感覚に吐き気がする。絶対に交わらないと分かっているのに望んでしまう私が悪い、なんて上から目線な言葉は必要ない。そんな事私が一番分かっている。
赤い糸が私の小指に結ばれていない事くらい。

ねぇ、もし絶対に越えられない壁越しに私の言葉が届いたら、私達の距離はもう少し縮まるのかしら。

#距離

12/1/2022, 11:54:05 AM