貴方に出逢った日を今でも覚えてる。翡翠色の瞳が警戒心で溢れていて、まるで野良猫の様だった。会うたび作っていた傷を私が手当てするのがお決まりになった頃、ようやく貴方は口を開いた。「ありがとな」まさか感謝されるとは。目を丸くしていると、貴方はなんだよと耳を赤く染める。それがおかしくてつい声を出して笑うと、更に貴方は不機嫌になり顔を背けてしまう。「どういたしまして」2人に絆が芽生えたのは、春爛漫な午後のことだった。
4/10/2024, 10:35:06 AM