「ここでお別れですね…」
目の前には2つの分かれ道。
彼女は右に、わたしは左に。
きっともう二度と会うことはないだろう。
けれど、それを言葉にしてしまうのが怖くて。
言ってしまったら、今まで築いてきた絆さえも消えてしまいそうで。
彼女も同じことを思っていたのだろう。
ぼろぼろと涙を流しながら笑みを浮かべていた。
「いつか、いつかまた、どこかで」
「…っ…は、い…!!また会いましょう…!必ず…!!」
私たちは[さよなら]のかわりに、叶うことのない再会の約束をして、互いの行くべき道へと進んだ。
たとえ二度と会えなくても、どんな困難が立ちはだかっても、きっとこの日交わした言葉に勇気づけられるはずだから。
11/13/2023, 11:11:46 AM