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目が覚めると

そこは知らない国でした

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頭がズキズキする

子供の頃から続いていた偏頭痛

原因は不明

成人して仕事を初めてからは
気にならなくなっていたのだが

またこの痛みが気になり始めた

明日も朝から仕事がある

働けるだけ幸せだと気がついてから
仕事をするのは苦痛ではなくなった

だから今日は早く寝よう
頭が痛いことなど気にせずにもう寝てしまおう

強く目を瞑り布団に潜る

エアコンの音がする

今は夏だ 外を歩けば汗が流れ

身体の水分が奪われていく

だからエアコンがあることにとても感謝している

エアコンがきいた室内であれば汗をかいて
身体の水分が奪われることは無い

寝る家があり毎日ご飯が食べられる
それがどんなに有難いことか
最近になって身に染みてわかるようになった

感謝に浸るのもいいがそろそろ眠らなければ

明日も早いのだ

呼吸に集中する

深く、深く、ゆっくりと呼吸を繰返す

痛い、痛い、痛い

こんなときに偏頭痛がまた気になり始めた

暑い

ふと口をついて出た

暑い、暑い

おかしいな

エアコンは確かについているはずなのに

こんなに暑いのはおかしい

時たま強く吹く風は本当にエアコンの風だろうか

花を飾ってない室内では感じることの出来ない
植物の香り

こんなにも草木の香りを強く感じたのは

いつぶりだろうか

鳥の囀る声が聴こえる

夜中に鳴くはずのない鳥の声

待て待て待て

鳥など飼っていないし植物も飾っていない

ここは私の部屋だ

1番最悪なのはエアコンが壊れたことだ

私は眠ると思いたいところだが

こんなに暑くて寝苦しいのは叶わない

身体を起こして目をあけた

目に飛び込んできたのは

視界いっぱいの眩しい日差し

先程まで暗闇の中で目をつぶっていた瞳に
この光は痛すぎる

頭も痛いし目も痛い

チカチカして目をあけていられない

しかし、一瞬目が眩んだからといって
もう何ヶ月も過ごした部屋のベッドを降りて
冷蔵庫に行くことに支障はない

そう思いベッドから降りようとした

段差があるはずの底を踏みしめようとした瞬間、もつれて転んでしまった

高低差があるはずの地面には高低差が無い

なんてことだ
私のベッドが消失してしまったではないか

何を馬鹿な

ベッドが消失するわけがない

待てそもそも

これは本当に私の部屋なのだろうか

そろそろ視界が慣れた頃かと再度目を開けてみる

見渡す限りの青い空
広い草原
気持ちのいい日差し
元気に駆け回る馬

あ、これは夢だ───

7/10/2024, 3:43:22 PM