私は幼馴染の優真と影絵を見に行った。
影絵を見るのは何年振りだろうか。
おそらく幼稚園以来だろう。
「あ、もうすぐ始まるよ」
声をかけると優真はすぐに振り向いた。
顔と顔がぶつかりそうなくらい近い。
恥ずかしくて顔が爆発しそうだ。
思わず顔を背けてしまう。
「琴、もう影絵が始まったよ」
優しく声をかけられる。
よし、今は影絵に集中しよう。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
集中したいのにどうしても、隣が気になってしまう。
「ぼーっとしているけど大丈夫?もしかして体調が悪いの?顔が赤い気もするし‥……」
不意におでこに手を触れられる。
彼の手の体温を感じ、動悸がしてきた。
この感情は何なのだろうか。
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これは2人が結婚することをまだ知らない時の過去のお話。
4/19/2025, 7:20:48 PM