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「ねぇ、1000年後の日本でまた、一緒になれたら良いよね」
そんな風に言葉を紡いだのはあいつだった。あまりにも突拍子のないことを云うのはいつも通りのことである。
「…1000年でも地球が人間が住める惑星かは分からんぞ」
「んもう、つまんないなー! そう云うことじゃなくて、ずっと一緒にいられたらいいねって云う話」
頬を膨らませながら云うものだからつい「かわい子ぶるなよ」と云ってしまう。こいつも若者ぶっているけどもういい歳なんだぞ。
「大体、人生と云うものは短く儚いものだから良いんだろ。なんだよ輪廻転生って」
また長ったらしい話か、と言わんばかり顔をするな。
「もうなんなのさ! 俺とずっと一緒にいたくない訳!?」
面倒くさい彼女みたいなこと云うなよ。
「…顔にでてるよ」
「出してるんだよ」
小言ばかり云う今の言葉に聴く耳を傾けることはしない。
「何度も違う人生で同じ人と一緒にいられたら奇跡じゃん! 特別じゃん! 俺あなたの特別になりたいよ!」
この男は小っ恥ずかしいことを最も簡単に云えてしまう。それがこいつ長所であり、短所でもあるのだ。
「すでに特別だよ」
「え、」
ずっと大切にしてやりたい。だから
「勝手にどっか行くなよ」

2/3/2026, 1:05:51 PM