目の前に凄惨な光景が広がる。
自分程度では遠く及ばない圧倒的な力を前に、
ただ立ち竦む。
今までにない、初めての経験だった。
少女は問う。
「なんでここにいるの?」
この眼前に広がっている光景はこの少女が引き起こしたものだ。
答えないなんて選べない。
「君に会いたかったからかな」
ここに来れば会えると思った。
ここに来ればこの凄惨な状態をつくることができると思った。
ここに来れば、絶対に計算通りだった。
少女は全て把握されていたと知る。
そのあまりの用意周到な不気味さに言葉が出ない。
ただこの感情をなんと口にすればよいのか。
4/11/2024, 3:52:55 PM