Nanase

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入試発表の帰り道、彼が迎えに来てくれた。今日は仕事じゃなかったのと聞けば、抜け出してきたと何でもないように答える。
私は彼のジャケットの皺を視線でなぞった。
彼が突然振り返ってくれる事を期待したけれど終ぞそんな機会は訪れず、私は密かに落胆した。
冬が来ると雪が降ってくるのを待ち望んでしまう。
どうにも消すことができない彼への想いを覆い隠してくれるのではないかと。

#雪を待つ

12/15/2023, 12:11:02 PM