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お題 君と最後に会った日

ひらひらと揺れる白い手のひら
記憶の奥底にかすむ君の顔
僕はいまでもこの場所にいるよ
この場所から動けずに
白い骨になっても
記憶だけはあざやかに
手のひらが揺れる白く、白く
ゆらゆらと
あの日からずっと
顔も思い出せない君を待っている
朽ち果てていく身体と共に



【君と最後に会った日】(二作目)


オープンワールドというには
あまりにも狭く小さな小さなフィールド
その世界はすでにかなりの過疎で
百人にも満たない数のアバターが遊んでいた
校庭、教室、屋上
ほかにどんな空間があったっけ
もうほとんど思い出せない

机に座っておしゃべり
校庭で意味ない鬼ごっこ
そこにいない誰かの噂話
毎日とにかく笑ってた
笑っている僕たちは、だけど知っていたんだ
この世界がもう長くはないことを

あの日、校庭に並んだアバターたち
細い棒のような白い手を振りながら
みんなでその時を待っていた
笑っているキャラクター
泣いているキャラクター
手を振る 手を振る
そしてその時がきた

僕はいまでもあの校庭にいるよ
そして君たちが来るのを待っている
また鬼ごっこをしよう
そしてくだらない話をして
あははと笑おう

6/26/2024, 10:17:12 AM