私は久々の快晴に浮かれ、空を見上げながらゆっくりと土手を散歩していた。散歩といっても、コンビニから家までのごく短い距離ではあるが。
秋口の空気は、吸い込むとどこか懐かしい香りがした。高い空には綿を千切ったような雲がぷかりと泳いでいる。どこまでも続いているかのようだなあと、しみじみと見回して、あれ、と思う。違和感。
大きな雲の端が、まるでカッターで切ったかのように途中から無くなっている。そのまま視線を下ろしていくと、それとは違う雲が、また半分に切られたようにばっさりとなくなって、代わりに不自然な形の小さな雲が、これも中途半端な形でくっついていた。
まるで、柄の入ったラッピングペーパーをぐるりと円柱型に丸めて端をくっつけたような、そんな光景だった。
ここが空の終わりと始まりなのだろうか。
私はしばらく立ち止まって眺めていたが、袋の中のアイスの存在を思い出して、早歩きで家へと足を進めた。
10/23/2022, 2:14:44 PM