#60 彼が亡くなってから、1週間が経とうとしていた。
私は、もう1週間も生きた。生きられていること自体は幸せなことなのに、もう、嬉しくなかった。今日も生きた、と日々夜に思う。生きても意味がないと思ってしまう。
ある日、彼の家族から封筒を渡された。
そこには彼の手書きの文字。
驚きながらも、ゆっくりと開封する。
中にはただ一枚の紙に、
"俺に生きる意味、楽しさをくれてありがとう。
幸せだった。なのに。……ごめんね。"
と書いてあった。
___ありがとう、ごめんね
12/8/2022, 10:50:34 AM