彼女が死んだ。死因は、『自殺』だった。
僕は自殺をすることを知っていた。
止めたかった。だけど止めなかった。
止めたら余計苦しめてしまうと思ったから。
止めたところで、
彼女を幸せにできる自信がなかったから。
でも今考えると、
止めたい止めたくないだけ考えて、
幸せにする方法なんてひとつも考えていなかった。
僕は後悔に苦しめられた。
そんな時不意に彼女の瞳を見た。
安らかな瞳だった。
苦しみから解放されたように幸せそうな瞳だった。
僕はしばらく彼女瞳を見つめていたが、
彼女の母と父から彼女の遺書をもらった。
そこには、
『自殺止めてくれなかったんだね。
でも私のそばにいてくれてありがとう。
君がいなかったらもっと早く死んでたかも笑
ばいばい』
と書かれていた。
やっぱり止めて欲しかったのか、、、?
でも手紙では止めなくても良かったように見える。
彼女の気持ちは僕には分からない……。
だけど、僕は自分勝手だ。
そのことは確実にわかった。
#『安らかな瞳』
No.68
3/14/2024, 10:39:53 AM