柵が作品P

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第4話
【私の名前】

今日は、美玖がいない帰り。
こんなのいつぶりだろう。
海斗が
「蓮のことならもう、知ってるよ」
って返して、なんだかドキってした。
男同士なのにドキって変か。

「蓮、俺…実はさ」
「どうした?」
海斗が話しかけてくるのなんか新鮮…!
って思っていたら突然、顔を近づけてきた。
「!?」
そりゃびっくりするわ。
「ふふっ」
海斗は、僕の顔の近くでニコってした。
(ドキっ)
「蓮の顔が可愛くってね」
「なんだよそれ」
「そのままの意味だけど」
海斗…お前まさか…これ女子にもしているのか…
そりゃモテるわな…ゴゴゴ
「蓮って名前いいよね!」
「いや、だからさっきからなにぃ~」
「美玖って名前もいいけど、蓮とは似合わないよ」
「…どした」
「ううん!じゃなー」

翌朝――
昨日の海斗がしていたやつ、美玖にしてみようかな…
いや顔近づけてニコとか、恥ずかしぃよ…
心臓壊れるって…
でも、あのくらいしないとドキドキしないよな
男の僕でさえドキドキしたもの。
待てよ…

海斗、美玖にしているんじゃね

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ
いや、してないよ!あいつは!
う…でも仮にしていたら美玖は海斗に夢中だろうしな
してな…いよ…絶対…多分きっと!
「してませんよーに!」
「何が?」
「うわぁ!?」

【つづく】

7/20/2022, 12:42:07 PM